JAXA J-SPARC共創「宇宙機の対話認知インターフェース事業」始動 ― Mission Buddy、はやぶさ2ライブ配信で実証
EDENA株式会社(イディナ株式会社)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)との間で、「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」の枠組みのもと、2026年6月より「宇宙機の対話認知インターフェース事業」に関する共創活動を進めています。本事業では、対話認知インターフェースプログラム「Mission Buddy(ミッションバディ)」を活用します。
このたび、JAXA J-SPARC のプロジェクト紹介ページに Mission Buddy が掲載されました。あわせて、2026年7月5日に実施された「はやぶさ2」トリフネ・フライバイのライブ配信において、対話インターフェースを用いたデモンストレーションを実施しました。

2026年7月5日「はやぶさ2」トリフネ・フライバイ ライブ配信より。左から2人目がEDENA代表取締役・井手口。視聴者チャットには、はやツー君の対話体験への反響が多数寄せられました。(JAXA公式ライブ配信/コメント投稿者名は伏せています)
▶ 配信アーカイブを見る(YouTube) ※井手口と「デジタルツインはやツー君」は 約30分/約2時間25分ごろに登場。

Mission Buddy とは
Mission Buddy は、単なるキャラクターの声ではありません。探査機や人工衛星などの宇宙機が自らの「声」で語り、利用者の問いかけに応答する対話認知インターフェースです。宇宙機を単に擬人化する仕組みではなく、ミッションスピリットや目的を理解し、ミッション情報や観測データ、運用知見、研究成果をもとに、研究者・運用者、教育機関、一般の方々を「対話」でつなぐことを目指します。
例えば、展示館を訪れたお子さんが「いま、どこを飛んでいるの?」と話しかけると、探査機が自分の声で現在の旅路やミッションの目的をマルチリンガルに答える。あるいは運用の現場で、運用者が同僚に話しかけるように探査機へ問いかけ、過去データにアクセスして認知負荷を下げる ― そうした新しい宇宙コミュニケーション体験の創出を目指しています。
そのうえで、最終判断は必ず人間が担うHuman in the Loop(HITL)の考え方を基本としています。
はやぶさ2ライブ配信で、実証

2026年7月5日「はやぶさ2」トリフネ・フライバイ ライブ配信で使用した解説図。探査機と人・AIの「あいだ」に、「デジタルツインはやツー君」の対話が立ち上がる。(JAXA×EDENA J-SPARC 共創/イラスト:©JAXA〈はやぶさ2〉)
2026年7月5日のライブ配信では、探査機との対話体験を通じて、宇宙機との自然なコミュニケーション、AIによる認知支援、そして人が最終判断を行う運用という、Mission Buddy の基本コンセプトを紹介しました。本配信には、EDENA 代表取締役の井手口悦久が出演し、デジタルツインはやツー君の声とともに、Mission Buddyの対話体験を紹介しました。
この日のために ― EDENAが企画・開発・カスタマイズ・実装したこと
7月5日のライブ実証に向けて、EDENA は驚くほど短期間で次の実装を行いました。
- 対話型の「声」の実装:「真実を伝える声」や「心に届く対話」を得意とする日本最高峰のキャスター事務所セント・フォース様のご支援と、世界最高水準のAI音声技術を持つイレブンラボ様の感情タグ技術を活かした技術協力により、独自の対話システム「RaShiSaAI」を応用開発。すでにファンやチームに親しまれている「はやツー君」の声として、はやぶさ2のミッションスピリットや知識をもった、映画大作に匹敵するレベルの品質感による対話型の音声を、約4週間という驚異的なスピードで実装しました。
- PCおよひスマートフォン対応オーディションシステムおよび、ライブ配信用の対話型システムの構築:トリフネ・フライバイを目前に多忙を極めていた、はやぶさ2拡張ミッションチームの状況に合わせ、スマートフォンでも直感的に試聴と投票が完結する音声オーディションの仕組みを構築・実装。さらにHITL(人間が介在することでAIが誤ったことを話さない独自開発のガードレール)を担保しつつ、文脈を理解し、対話相手を長期記憶しつつ、年齢やリテラシー、情動、質問意図を推定した、相手に寄り添う対話をリアルタイムに実現できる「デジタルツインはやツー君」の声を、7月5日のフライバイ本番までに完成させました。
キービジュアル ― Piggy(ピギー) / MISSION BUDDY

クルーTシャツのフロント「ピギー / Piggy」とバック(ラッシー & シーサー)に込めたキャラクター設計。ピギーは、RaShiSaAIユニット「ラッシー / Lassie」が翻訳支援ユニット「タミー / Tummy」を抱えた姿。
JAXA J-SPARC のプロジェクト紹介ページに掲載されているビジュアルの中心にいるのが、キャラクターPiggy(ピギー)です。見た目はブタの鼻のような愛らしい姿ですが、その実体は、EDENA の個性化AI対話エンジン「RaShiSaAI」のユニット「Lassie / ラッシー」が、翻訳支援ユニット「Tummy / タミー」を抱えている姿をモチーフとしています。
タグライン ― explore together
Mission Buddy が掲げるメッセージは「explore together」。宇宙を探査を深めることは、相互理解を深めること。人とAIが互いを理解しながら、新しい知識や体験を共に探究していくこと。それが、このプロジェクトに込めた想いです。
今後について
本共創は、J-SPARC における事業コンセプト共創フェーズとして2026〜2027年度にかけて実施し、はやぶさ2以外のJAXA宇宙ミッションへの応用や、実際の運用現場や科学展示などでの実証を予定しています。
EDENA は、Mission Buddy を通じて、宇宙分野にとどまらず、人とAIが安心して協働できる対話認知インターフェースの研究・社会実装を進めてまいります。JAXA との共創をはじめ、多様なパートナーとの取り組みを通じて、「対話によって関係性を深める」未来の実現を目指してまいります。
Mission Buddy は、宇宙機に「人格」を与えるプロジェクトではありません。対話を通じて人の理解と判断を支え、人と探査機とAIがそれぞれの役割を尊重しながら未来を探究するための、新しい認知インターフェースです。
関連リンク
- JAXA 宇宙イノベーションパートナーシップ J-SPARC
- (参照)JAXAプレスリリース「『宇宙機の対話認知インターフェース事業』に関する共創活動を開始」
- はやぶさ2 トリフネ・フライバイ ライブ配信アーカイブ(YouTube)
JAXA × EDENA | J-SPARC 共創 | MISSION BUDDY explore together
